化学物質過敏症の症状をお伝えするのは、個人差が大きくてとても難しいです。
そして、「この症状」が出たら化学物質過敏症という訳ではありません。
1つ1つは誰もが経験のある症状が多いです。
なので・・・
多くの方は、「疲れかな?」と決めつけてしまい、「疲れのせい」にしてしまう方もいます。
そして、医療機関で検査しても異常なしなので、「やっぱり疲れのせい」と疲れが原因と勝手に自己判断で決めつけてしまい、長年悪化してしまう方もいます。
また、「年齢のせい」にしてしまう方もよくいます。
神経症状によって、「物忘れ」の症状が出ます。
40代以下の方は病的?という疑問を持つ事が出来るのですが・・・
50代になると「認めたくない」という気持ちが出て、葛藤をして強く抵抗する方もいます。
60代になると、「年のせい」と諦めてしまい、病気と疑う方も少なくなってしまいます。
また、一般の医療機関で「異常なし」と言われると、最後に勧められるのが精神科です。
うつ、発達障害、自律神経失調症、更年期障害、統合失調症などという病名を付けられる方もいるようですが、それらの病気との判別は専門医でないと分かりません。
なので、それらの薬を飲む前に、きちんと専門医による正しい診断が大切です。
さらにひどい場合は、医療機関で「異常なし」と言われても体調が悪いと・・・
占いやお祓いにハマってみたり・・・
宗教にハマってしまったり・・・
様々な健康法にハマって借金を作ってしまったり・・・
様々な方がいます。
でも、本人は周りが見えていなくて必死でハマってしまう場合も少なくありません。
そのような方がいたら、周りの人が忠告してあげる事も大切です。
様々な理由で、「原因不明」の体調不良として悩んでいる方、寝込んでいる方、引きこもりになっている方も多くいます。
特にお子さんでは、症状を上手く伝える事が出来ません。
そして、宮田医師によると・・・
神経系、免疫系、ホルモン系の症状が出ると言われています。
坂部医師によると・・・
症状は
1)気道過敏などの粘膜刺激症状を中心とする例、
2)頭痛、めまい、吐き気などを中心とする身体表現性自律神経機能障害を有する例、
3)精神神経症状を主体とする例、
4)元来のアレルギー疾患が悪化する例
など、極めて多彩で多種類の器官にまたがっているが、程度は様々なものの、嗅覚過敏症状は大多数の症例に認められる。
と言われています。
そうなのです。
においに敏感になるのだけが化学物質過敏症ではありません。
数多く様々な化学物質に反応する中の1種類が香料です。
においが無い化学物質にも反応してしまいます。
そして、様々な症状がある中の1つが嗅覚過敏症状です。
以下は人によって違ったり、同じ人でもその時によって、またその時の体調によっても違ったりします。
睡眠障害・・・不眠の人もいれば、過眠になる人もいます。
血圧変動・・・血圧上昇する人もいれば、血圧低下になる人もいます。
食の障害・・・食欲不振の人もいれば、過食になる人もいます。
感覚の異常・・・聴覚(音)過敏になる人もいれば、難聴になる人もいます。
排泄異常・・・頻尿や尿失禁になる人もいれば、乏尿や排尿困難になる人もいます。
以下は症状の一部です。
例えば、代表佐々木の場合は、悪化した時は110以上の症状が同時に出て苦しみ、寝たきりの状態で、介助を要していました。
(ふくずみアレルギー科ホームページより)
【自律神経症状】
発汗異常、手足の冷え、疲れやすい、めまい、ふらつき、振戦
【神経・精神症状】
不眠などの睡眠障害、不安感、うつ状態、頭痛、思考力低下、記憶力低下、集中力低下、意欲の低下、易怒性、興奮性、攻撃性。落ち着きがない。運動機能障害、四肢末端の知覚障害、関節痛、筋肉痛、筋力低下、起立性調節障害
【気道症状】
のどの痛み、鼻の痛み、気道の乾燥感、気道の閉塞感、風邪をひきやすい、呼吸困難
【消化器症状】
下痢、特に便秘、悪心、嘔吐、腹痛、食欲不振、過食
【感覚器症状】
目の刺激感、羞明(まぶしい)、目の疲れ、ピントが合わない、視力低下、鼻の刺激感、匂いに敏感になる、味覚異常、音に敏感になる、鼻血、皮下出血
【循環器症状】
動悸(心悸亢進)、不整脈、胸部痛、胸壁痛、高血圧
【免疫症状】
皮膚炎、蕁麻疹、喘息、自己免疫疾患、鼻炎、花粉症、発熱、リンパ節腫張
【泌尿生殖器・婦人疾患】
生理不順、不正性器出血、月経前困難症、頻尿、乏尿、排尿困難、尿失禁、膀胱炎
環境省
平成 27 年度環境中の微量な化学物質による健康影響に関する調査研究業務報告書
(「本態性多種化学物質過敏状態」に関する研究を含む)
坂部 貢医師
http://www.env.go.jp/chemi/anzen/mcs/mcs.html